カテゴリー別アーカイブ: 解決事例

片耳難聴 相当因果関係否定 異議申立 聴力障害9級認定(埼玉県)

片耳が聴こえなくなったのに相当因果関係が否定され補償されず、保険会社からの事前認定の結果に不信感を抱き、納得できず、相談

<相談内容> 子供(幼児)と車の事故で頭部を強打して脳震盪などで入院、その後退院したが、聴力障害で片耳が聴こえていないことに両親が気が付き、病院を転々として症状固定となり、保険会社からの事前認定で申請するも交通事故との相当因果関係が否定され非該当、納得できず、当事務所に相談。

<受任の経緯>資料を精査したところ、事前認定では必要な調査はされていて、その調査結果は聴力障害と交通事故との相当因果関係を否定又は不明とするものばかりでした。個人的には、相当因果関係の証明をするのは難しいと考えましたが、小さな子供が片耳が聴こえなくなったのに後遺症について全く補償を受けられないのは不合理と考えて、受任。

<問題点>交通事故と聴力障害との相当因果関係の証明のための資料の収集

<対処方法>受傷時からの経緯を資料から徹底して調べて、ご両親からも当時の病院等での検査の有無を調べました。苦労しましたが、当事務所が過去にやった聴力障害の事案の経験から、ご両親に事故前から現在に至るまでの事実関係を聴取、精査して、資料を収集することが出来ました。その資料を基礎に経緯等をまとめて異議申立書を作成、収集した資料を提出しました。

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<結果>被害者請求の異議申立で交通事故と聴力障害との相当因果関係を認め、1耳の聴力を全く失ったものとして、9級9号が認定されました。

(コメント)事故当時は幼稚園の幼児、初回の事前認定では、自賠責保険は調査はしましたが、医師に簡単な医療照会をしただけのものでした。これは簡単な質問を医師にして回答、それを根拠として相当因果関係を否定しています。確かに、大量な調査事案があり、迅速にそれを処理しなければならないのは理解できますが、それだけで相当因果関係を否定された被害者側は納得できるものではありません。ましてや、この事案は幼児の聴力障害で医師の側もその症状を把握するのは大人に比べて難しいものになります。この事案は運良く資料が収集でき証明することは出来ましたが、相談を受けていた当時は証明することができる可能性はほとんどないと感じ、ご両親の熱意から受任した経緯があります。賠償金額についてはタッチしていませんが、小さな将来ある子供の片耳の聴力が失われることを考えると、いくら賠償されても納得できるものではないと思います。とはいえ、等級が認定されていなければ、裁判で認定されるのは難しく、賠償金はゼロに近い数字になっていたといえます。相当因果関係の論点は難しく、これ以外の事案でも相当因果関係を証明できず補償されない被害者が多くいるのは想像できます。この事案で一度は断ることも考えましたが、これからも諦めずに交通事故被害者のためにサポート出来ればと思っています。

 

他覚所見ない鞭打ちで医師が非協力、後遺症14級認定(東京都)

他覚所見のない鞭打ち(むちうち)で認定されるのか、医師が交通事故には非協力で不安

<相談内容> 重篤の鞭打ちて苦しむも医師に理解してもらえず、複数の病院で治療を続けるが1年以上経過、症状固定の時期となり、当事務所に相談。

医師が非協力でMRI検査や神経学的検査がない状態でしたが、治療状況などは良く、来所相談の様子からも頚部の可動域が全くない重篤な状態と感じられ、受任。

<問題点とその対処方法>現在の医師が非協力で検査をしていただけなかったので、他の病院を紹介してMRI検査と神経学的検査を施行。そして、現在の主治医に検査以外の医療照会・回答をお願いして、複数の病院で医証を収集。

<結果> 鞭打ち神経症状14級9号が認定されました。

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(コメント)鞭打ちの14級の認定要件は他覚所見、その他の治療状況などから総合的に判断されます。本件では、他覚所見とその他の医学的な証明・説明は病院を分けて医証を収集しました。本来なら一つの病院でするのが合理的ですが、非協力的な医師がいるのも現実です。この場合には経験からその対処方法を考える必要があります。なお、重篤な鞭打ちでしたが、重要な神経学的検査の異常所見がなく12級認定要件を充たしておらず、また、これ以上は望まないとの本人の意志で異議申立はしませんでした。

 

弁護士費用等特約 医師面談の上でむち打ち(鞭打ち)14級9号認定(宮城県)

 弁護士費用等特約があるので、むち打ち後遺症認定のための医師面談と申請手続を専門家にお願いしたい

<相談内容> 車で衝突され自車は大破、むち打ちと診断され、その後治療を続けたが、むち打ちで症状固定の時期となった。しかし、医師が後遺症認定に不慣れで不安を抱き、医師面談の上で後遺症の認定の申請手続をお願いしたいと相談。

<回答> 出張費用等の問題があるのでむち打ち事案では通常は遠方の医師面談はお断りしていますが、弁護士費用等特約で支払いは可能と保険会社から確認が取れ、医師からも医師面談の承諾があったので。事実関係を精査した上、受任。

<問題点とその対処方法>医師面談にて、医師が後遺症の認定について不慣れで、その意味の説明や必要な検査、その他14級の認定要件を証明するため、医療記録等から正確に後遺障害診断書とその他医学的資料に正確にまとめて頂きました。

<結果> 初回申請にて局部に神経症状が残るものとして14級9号が認定されました。

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<認定後> 弁護士費用特約で地元の弁護士に委任して示談交渉等で解決されたようです。

(コメント)新幹線で出張、医師面談をしての認定となりました。非常に話しやすい穏やかな医師で誠実に対応して頂き感謝しています。なお、個人的には医師面談はすべての事案ですべきとは考えていません。理由は、医師が専門家を嫌うケースも多くあり、また医療照会・回答などで十分なケースもあります。その他、費用の面なども考慮して医師面談の必要性・許容性を考えて決めるべきと思っています。

 

異議申立 肘の運動制限(可動域制限)12級6号認定(東京都)

自分で被害者請求したいと思っているが、後遺症が認定されるか不安

<相談内容> 肘の骨折で肘の運動制限(可動域制限)と肘関節の痛みの障害が残って自賠責保険の被害者請求を自分でするが、適正な後遺症が認定されるか不安で無料相談を利用。

<回答> 自分で申請したい希望があったので、電話で事実関係を伺い、簡単な申請の方法とその問題点及び認定の可能性を伝えて、自ら被害者請求で申請しました。

<初回申請の結果と再度の相談> 結果は14級9号の等級認定で納得できず、再度相談。申請した資料と別紙判断理由書、後遺障害事案整理票などを精査して、可動域左右差は3/4あり、骨折の位置、その他の事由から12級6号認定の可能性は高い判断して受任しました。

新たに画像検査を医師にお願いして、その他の画像検査以外の検査で可動域制限がある旨の客観的な医証を収集、その他医療照会・回答書を作成して頂き、行政書士が異議申立書を作成して代理にて異議申立をしました。

<結果> 異議申立から約2ヶ月、異議申立が認められ、肘運動制限が残るものとして12級6号認定されました。

(コメント)初回申請で12級6号が認定されなかった理由は、残存性の証明を資料から調査側が確証を得られなかったことが理由と考えられました。そこで、画像検査のみならず、その他の検査を医師にお願いして施行して頂き、他覚所見を得られたことが認定された理由と考えられます。確かに、骨折の場合は客観性は高いですが、将来の残存性の証明が不十分な場合も有り得ます。納得出来ない結果の場合は諦めないで経験のある専門家にご相談ください。

手続に不備があり、異議申立から後遺症14級認定(千葉県)

弁護士に自賠責保険の後遺症の認定も含めて依頼して被害者請求で申請するも手続に不備があり非該当

(相談内容)後遺症の認定について弁護士に依頼したが、非該当になり納得できないので、交通事故後遺症認定申請の経験ある行政書士に、資料を確認してほしいと相談がありました。

提出した資料を簡単に拝見したところ、一見すれば後遺障害診断書などの資料から14級は初回申請で認定される事案でしたが、よくよく精査すると提出しなければいけない資料が存在せず、その後、委任状を受けて自賠責保険会社の担当者にその資料の存在を確認したところ、初回の申請ではその部分が抜けている旨の回答を得ました。

そこで、その未提出の資料を収集しました。さらに、14級認定のための医療照会・回答書の作成を医師にお願いしました。

上記の未提出の資料と医療照会・回答書、その経緯を示した異議申立書等を提出して、むち打ちの神経症状14級が認定されました。

その後、弁護士費用特約の残りがあったので弁護士を紹介して、獲得した14級の認定を基礎に示談。

(コメント)最初に受任した弁護士は自信を持って認定されますと言って弁護士費用特約で受任しました。そして、非該当になって異議申立をするのに生活状況をまとめて提出すれば認定されるから大丈夫との回答でしたが、本人は信頼できずに当事務所に相談に来ました。経験上、この事案で生活状況だけを資料として提出しても認定されることはなかったと思います。理由は、被害者請求では資料を提出する責任は被害者側にあります。14級の認定要件を充たしていたとしても、それを証明するに足りる資料が提出されなかった場合には、証明されず、生活状況だけでは証明するのは無理と考えられるからです。現在、行政書士のみならず弁護士も自賠責保険の後遺障害認定の申請をしていますが、ネットやマニュアルなどを参考にほとんど経験ないまま申請している場合も多く、実務経験を積んで申請している専門家は少ないのが現実です。もちろん誠実に業務をしている経験ある弁護士、行政書士もいます。参考に、実務経験ある専門家を見分ける方法は、ホームページの事例集などを参考に、多くの経験がある専門家を探す、又はストレートに経験の有無を聞いてみるのもいいと思います。少し厳しいことを書きましたが、交通事故被害者の方のためになればと思います。

→後遺症障害等級認定サポートの専門家を探している人

高次脳機能障害 9級認定(東京都)

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

外国人の方で、帰宅途中に自転車にて車と衝突して意識を失い救急搬送され、硬膜下血腫等の外傷より入院。その後、脳以外の他の部位の症状について当事務所に相談。その相談時点では、本人は高次脳機能障害では等級は認定されないと考えていましたが、資料を精査して高次脳機能障害の認定も可能と判断。専門医を紹介して検査・治療を開始して経過観察、その後高次脳機能障害について症状固定。

問題点

①意識障害の証明の問題②生活状況のまとめ③治療の内容、治療状況、症状の推移等のまとめ

対処方法

①については、自賠責様式の「頭部外傷後の意識障害についての所見」だけの資料では高次脳機能障害の意識障害の認定要件としては不十分と考えて、他の資料を収集して意識障害所見の客観性を証明②生活状況をまとめる家族も外国人のため苦労しましたが、自賠責の高次脳機能障害の日常生活状況報告書だけでは不足していると判断して他の資料を作成して添付③医師等に生活状況や症状を経過的に正確に伝えてまとめて頂いた。

結果

高次脳機能障害として9級認定。

行政書士のコメント

確かに、一般的には症状は一見すれば健常者と変わらない感じもしますが、ご主人の話などを伺ったり、実際にお会いして症状を観察すると軽度ではありますが、高次脳機能障害の症状が事故後3年ほど経過していても残っているのが確認できました。自賠責で高次脳機能障害として9級が認定され、妥当な認定結果だったと思います。高次脳機能障害は周りから分かりづらく、ましてや本人の自覚症状はない障害です。交通事故で頭部を強打した場合などには、自分で判断しないで必ず専門家に相談してください。

 

被害者は外国人の方で日本に留学して日本語を習得、大学を卒業して貿易会社に就職して、これからという時に、交通事故で怪我をして障害が残りましたが、現在は社会復帰をして家族と一緒に頑張っています。相談を受けてから長期間の業務になりましたが、正当な補償がなされ、障害を乗り越えて日本で成功することを願っています。

 

それにしても、高次脳機能障害も十人十色で全く同じ事案などありません。経験が大切、どの事案を受任してもそのように感じます。

 

高次脳機能障害 5級2号(栃木県)

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

15年前の交通事故のてんかんで9級が認定され示談、その後、普通の生活に戻り結婚したが、てんかんの症状が増悪して、当事務所に相談、高次脳機能障害を疑い、専門医の受診を勧め、高次脳機能障害と診断され受任する。

問題点

①高次脳機能障害の診断を受けるも、その証明のための医学的資料が不足していたこと ②高次脳機能障害と診断されるまでの15年以上の空白期間の医学的資料収集の問題 ③事故当時の資料が全く存在せず、事故の事実を証明するための資料の収集の問題 ④高次脳機能障害で最も重要な事故時の医学的所見の資料収集の問題⑤日常生活の状況、労働能力の有無・程度の証明の問題

対処方法

①については、単に高次脳機能障害と専門医に診断されただけでは認定される事は難しく、医師に必要な検査をお願いして、医学的資料を収集。 ②医師面談で説明して過去の医学的資料を精査して頂き、15年の空白を埋める作業。 ③当時の任意保険会社で資料を収集、その他関係者に当時の状況を伺い当時の事故調査。 ④病院で事故当時の医療記録等から意識障害の有無・程度の所見等を丁寧にまとめて頂き、その他画像などの資料と共に提出。⑤ご家族・職場に面談して事情を伺い、事実に基づく資料を丁寧に作成して頂き、提出。

結果

高次脳機能障害等として、5級2号認定。

行政書士のコメント

相談はてんかんの症状がひどいのに示談額が数百万円という驚くような低額での示談内容で納得できないというご相談でした。当時の事故状況や現在のてんかんの症状、現在の精神状態などの症状から高次脳機能障害と確信して、専門医の受診を勧め、すぐに高次脳機能障害と診断されました。

しかし、てんかんで示談は終了して、交通事故から15年以上が経過、当時の事故の状況資料や交通事故証明書も存在せず、自賠責保険会社も不明な白紙の状態からのスタートで、正直なところお断りする事も考えましたが、奥様の頑張りで少しずつ資料も集まり始め、受任した経緯があります。そして、上記の問題点も解決して、相談からおよそ2年で認定されました。 この結果は、医師等の病院関係者の協力、そして、重篤な障害があるにもかかわらず納得できない気持でいたご家族の努力、特に被害者の奥様の理解あるご協力がなければ、この結果はなかったといえます。

このように、事故後に示談等をして10年以上経過しても、高次脳機能障害の場合は自賠責保険への後遺障害の申請も可能です。そして、その認定結果を基礎に裁判する事も可能です。

ところで、高次脳機能障害については、認定要件が厳格で注意が必要です。 具体的には、急性期画像所見の有無と程度、経過的画像の変化の有無と程度(びまん性軸索損傷では脳室拡大・脳溝拡大や全体的な脳萎縮の経過的変化が生ずる、限定性脳損傷はその部位の脳萎縮の経過的変化が生ずる)、意識障害の有無・程度、各種検査の必要性やその整合性、労働能力の有無・程度や日常生活の状況、他の症状との関係性などで総合的に高次脳機能障害の有無と程度は審査されます。このように、複雑な要素より判断され専門性と経験が必要です。そして、高次脳機能障害も十人十色でその証明方法や論点も異なります。事実、本件でも、自賠責保険の後遺障害診断書やその他の高次脳機能障害の定型書式の資料作成では足りず、オリジナルの医療照会等の医学的資料、その他資料が必要でした。したがいまして、複雑な事案でも柔軟に対応できる自賠責保険高次脳機能障害申請の経験豊富な行政書士、また、裁判等の請求では多数の判例などを持つ経験豊富な弁護士にご相談ください。

なお、事故後にてんかん症状が残っている方は、その高次脳機能障害の関連性より、高次脳機能障害専門の医師の診断をお勧めいたします。詳しくは、直接当事務所に、ご相談ください。

 

咀嚼障害 6級2号

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

バイクを運転中、自動車に接触され横転、顎の骨折により咀嚼機能の障害が生じ、弁護士に相談するも自賠責保険の申請の経験がなく、当事務所に相談、受任する。

問題点

①歯科医師で、交通事故には不慣れで、後遺障害診断書等の書き方が分からないこと

②咀嚼障害の日常の食生活に与える具体的影響について

対処方法

①については、遠方でしたが、医師の希望もあり医師面談をして後遺障害診断書の説明、その他診療記録等から医療照会・回答書などの医学的資料を作成して頂く。

②医師にはわからない日常の食事等の状況をご家族に聴取して資料を作成して頂いた。

結果

咀嚼障害として、6級2号認定。

行政書士のコメント

我々行政書士に出来るのは、後遺障害の「事実」があり、それを証明することです。咀嚼障害の場合には、その有無と程度の事実を証明する必要があります。

単に、後遺障害診断書だけを作成しても、咀嚼障害の事実は証明できません。具体的には、医学的に咀嚼障害があると客観的に認められ、その程度も画像や医師の所見とご家族の日頃の食生活の観察等の資料から整合的に証明されて後遺障害として認められることになります。

担当の医師は歯科医師で交通事故には不慣れでしたが、誠実な人柄で過去の資料から丁寧に資料を作成して頂き、適正な等級が認定され、感謝いたします。

 

最後に、咀嚼障害は上位等級が認められる重度の障害といえます。これは人間の日常生活の食事の重要性を意味するものです。あらためて、日常の食事の大切さを再確認する事案でした。

 

 

 

 

 

肩の運動障害(可動域制限)として 10級10号 後遺障害認定(埼玉県)

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

バイクで走行中、駐車車両のドアが直近で開き、これを避けることができず車のドアに衝突して肩、頚部等を受傷。救急車にて都内の大学病院に搬送される。その後、外国人ということもあり、母国に帰国して治療や検査をして、日本で右肩の手術等の治療をするも治らず、症状固定。任意保険会社から事前認定で申請するも肩の審査を満足にしてもらえず非該当となり、保険会社に不信感を抱き、当事務所に相談、受任する。

問題点

①事故から4年経過しており、外国での治療等があり資料の収集の困難性と事故との相当因果関係の証明の問題点。

②肩に骨折、脱臼等の器質的損傷が認められていないという結果立証の問題点。

対処方法

①については、事実関係を精査して申請するも一部の資料が不足していて、相当因果関係が否定されました。これは外国の病院での資料の一部が言葉の問題で聴取できず収集できなかったこと等が原因でした。そこで、再度、精査してから、本人に帰国時に資料を収集して頂き、さらに日本の病院で主治医に医師面談をして医学的資料を作成して頂き、再異議申立で本件交通事故と肩の障害との相当因果関係を証明。

②肩に骨折や脱臼がなくとも、丁寧な検査をすれば、器質的損傷を発見できる場合があります。そこで、外国の病院で撮影した画像を資料として提出、その他資料を提出して肩の器質的損傷とその整合性を証明。

結果

右肩打撲後の運動障害として10級10号認定。

行政書士のコメント

行政書士肩に骨折、脱臼がない場合の肩関節の運動障害の証明は、実務上困難な証明となります。また、一度否定された因果関係の証明も実務上困難な証明になります。

これらの証明を任意保険会社から申請しても、認定される事はなかったといえる難易度の事案でした。

また専門家でも、マニュアル通りの方法では、被害者請求で申請しても認定はされなかった事案と考えられます。事実、私も一度目の申請では肩の器質的損傷の証明に力を入れ過ぎ、因果関係の問題を軽視して、相当因果関係が否定されてしまいました。これを真摯に受け止め、再度の異議申立で因果関係を丁寧に検証して、一つ一つ資料を積み上げて証明をして相当因果関係が認められたのが現実です。

通常は肩関節の可動域制限の証明は、単純なMRIを撮影して可動域を正確に測定すれば認定されると簡単に考えがちですが、本件のように難易度の高い事案も多くあるのも現実です。

自分も多くの事案を扱うとマニュアル化して機械的に捉えて処理してしまう時がありますが、同じ肩の運動障害の事案でも10人いたら10通りの処理の方法があり、一つ一つ丁寧に生きた事案として処理しなければならず、組織的・機械的なマニュアルでは処理できない個人の能力が必要とされると考えさせられる事案でした。

最後に、被害者の方は外国人で、日本に来日して職人として20年以上働き、結婚して、日本の家族と外国の家族を守って一生懸命働いていましたが、交通事故で肩に後遺障害が残り、職人の仕事もできず現在も苦労しています。この現実は受け止めなければならないけど、この等級と資料を基礎に裁判で適正な損害賠償を得て、外国人というハンデはありますが、日本でもう一度頑張ってほしいと思います。また、3度の医師面談等担当の医師には忙しい中、ご協力をして頂き感謝しています。最後まで協力して頂けたのは、この患者さんの人柄の良さで信頼関係が医師との間にあったことが理由といえます。私も、2年近くのお付き合いになりますが、自分が最後まで頑張れたのも、この人の人柄にあったと思います。

 

 

頚椎捻挫後の聴力障害として 9級9号後遺障害認定(東京都)

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

高速道路の渋滞で停車中、後方から衝突され、頚部等を受傷。その後、聴力が低下して片耳の難聴となり、むち打ちの神経症状の治療と並行して、耳鼻科の治療、症状固定するも、半年経過しても任意一括社(任意保険会社)は聴力障害と事故との因果関係を否定して、申請をしない状態が続き保険会社に不信感を抱き、当事務所に相談、受任する。

問題点

①耳の直接の外傷がないことから、保険会社は事故と聴力障害の因果関係を完全否定しており、その因果関係の問題。

②聴力障害の証明の困難性の問題。

対処方法

①については、すべての事実関係を精査して、本件交通事故と聴力障害との相当因果関係を証明するためのオリジナルの様式で医学的資料を作成、医師に協力して頂き、その他の資料と合わせて因果関係を証明。

②単にオージオメータの聴力障害の数値が後遺障害診断書に記載されただけでは、聴力障害として後遺障害認定はされず、その他の検査や多数の資料が必要となり、この資料を収集・整理して「1耳の聴力を全く失ったもの」として、聴力障害の整合性を証明。

結果

頚椎捻挫後の聴力障害として「1耳の聴力を全く失ったもの」9級9号、頚部神経症状「局部に頑固な神経症状を残すもの」として14級9号認定。

行政書士のコメント

耳に直接の外傷がない場合の聴力障害の外傷性(因果関係)の証明は、実務上困難な証明となります。

この相当因果関係の証明については、任意保険会社が決めるものではなく、さらに、医師が決めるものではありません。

事実この事案でも、任意保険会社は因果関係を認めず、医師も後遺障害診断書で「事故との因果関係は不明」と記載しています。しかしながら、因果関係に関する証明は、医師の協力は必要ですが、主治医が明言して因果関係を認めるから事故との因果関係が肯定されるものではありません。多数の資料を精査して、必要な資料を作成して、提出すれば、調査側も公平に適正な等級を認定します。

なお、この事案ではCT等の画像検査で異常所見ははっきりとしたものはありませんでした。

 

現在、ネット等には色々な情報が溢れていて、行政書士等もそれを真似てホームページを作成していたり、医療提携を謳う専門家が増えています。しかし、この事案では特別な裏技や提携した医師を紹介して認定されなのではなく、今まで治療をして頂いた医師にお願いして、過去の「事実」の証明を一つ一つの資料を丁寧に積み重ねて真実に近づけていく地道な作業で認定されたと考えています。

個人的には、この世界にゲームのような裏技や裏道などはないと考えています。大切なのは、経験を通じて、基本を知り、自分の言葉で考え、一つ一つ丁寧に事実関係を精査して、その事実を証明する事が大切と考えます。

最後に、全く過失もなく、後方から加害者の不注意で衝突され、片耳が全く聴こえなくなった被害者の立場になれば、どんな賠償金を得ても納得できるものではありません。特にこの事故は首都高の走り屋の遊びに巻き込まれた事故で不運という他なく、さらに保険会社の不誠実な対応で2重の被害を受けた事案でした。これは、交通事故被害者の不合理な典型的な2重被害の例と言えます。