高次脳機能障害 5級2号(栃木県)

(プライバシーに配慮して、簡略化しています)

経緯

15年前の交通事故のてんかんで9級が認定され示談、その後、普通の生活に戻り結婚したが、てんかんの症状が増悪して、当事務所に相談、高次脳機能障害を疑い、専門医の受診を勧め、高次脳機能障害と診断され受任する。

問題点

①高次脳機能障害の診断を受けるも、その証明のための医学的資料が不足していたこと ②高次脳機能障害と診断されるまでの15年以上の空白期間の医学的資料収集の問題 ③事故当時の資料が全く存在せず、事故の事実を証明するための資料の収集の問題 ④高次脳機能障害で最も重要な事故時の医学的所見の資料収集の問題⑤日常生活の状況、労働能力の有無・程度の証明の問題

対処方法

①については、単に高次脳機能障害と専門医に診断されただけでは認定される事は難しく、医師に必要な検査をお願いして、医学的資料を収集。 ②医師面談で説明して過去の医学的資料を精査して頂き、15年の空白を埋める作業。 ③当時の任意保険会社で資料を収集、その他関係者に当時の状況を伺い当時の事故調査。 ④病院で事故当時の医療記録等から意識障害の有無・程度の所見等を丁寧にまとめて頂き、その他画像などの資料と共に提出。⑤ご家族・職場に面談して事情を伺い、事実に基づく資料を丁寧に作成して頂き、提出。

結果

高次脳機能障害等として、5級2号認定。

行政書士のコメント

相談はてんかんの症状がひどいのに示談額が数百万円という驚くような低額での示談内容で納得できないというご相談でした。当時の事故状況や現在のてんかんの症状、現在の精神状態などの症状から高次脳機能障害と確信して、専門医の受診を勧め、すぐに高次脳機能障害と診断されました。

しかし、てんかんで示談は終了して、交通事故から15年以上が経過、当時の事故の状況資料や交通事故証明書も存在せず、自賠責保険会社も不明な白紙の状態からのスタートで、正直なところお断りする事も考えましたが、奥様の頑張りで少しずつ資料も集まり始め、受任した経緯があります。そして、上記の問題点も解決して、相談からおよそ2年で認定されました。 この結果は、医師等の病院関係者の協力、そして、重篤な障害があるにもかかわらず納得できない気持でいたご家族の努力、特に被害者の奥様の理解あるご協力がなければ、この結果はなかったといえます。

このように、事故後に示談等をして10年以上経過しても、高次脳機能障害の場合は自賠責保険への後遺障害の申請も可能です。そして、その認定結果を基礎に裁判する事も可能です。

ところで、高次脳機能障害については、認定要件が厳格で注意が必要です。 具体的には、急性期画像所見の有無と程度、経過的画像の変化の有無と程度(びまん性軸索損傷では脳室拡大・脳溝拡大や全体的な脳萎縮の経過的変化が生ずる、限定性脳損傷はその部位の脳萎縮の経過的変化が生ずる)、意識障害の有無・程度、各種検査の必要性やその整合性、労働能力の有無・程度や日常生活の状況、他の症状との関係性などで総合的に高次脳機能障害の有無と程度は審査されます。このように、複雑な要素より判断され専門性と経験が必要です。そして、高次脳機能障害も十人十色でその証明方法や論点も異なります。事実、本件でも、自賠責保険の後遺障害診断書やその他の高次脳機能障害の定型書式の資料作成では足りず、オリジナルの医療照会等の医学的資料、その他資料が必要でした。したがいまして、複雑な事案でも柔軟に対応できる自賠責保険高次脳機能障害申請の経験豊富な行政書士、また、裁判等の請求では多数の判例などを持つ経験豊富な弁護士にご相談ください。

なお、事故後にてんかん症状が残っている方は、その高次脳機能障害の関連性より、高次脳機能障害専門の医師の診断をお勧めいたします。詳しくは、直接当事務所に、ご相談ください。