脊髄損傷による神経症状

脊髄損傷

外傷により脊髄が損傷されると、脳からの神経信号の一部または全部が遮断される結果、損傷した部位・程度により、手足の麻痺・しびれ、知覚の低下・消失、筋力の低下、神経因性の膀胱・直腸障害、勃起機能不全等の様々な症状が生じ、日常生活や労働能力に大きな影響を与え、とても重い後遺症が残る可能性があります。

自賠責保険の実務では、脊髄損傷の存否について、その症状を裏付けるMRI等の画像検査および神経学的検査等により判断します。

そして、脊髄損傷の存否が、これらの検査で客観的に裏付けられたら、神経系統の障害の程度を上肢・下肢の運動機能・知覚機能や膀胱機能等の機能低下の程度を総合判断して、1級から12級の後遺障害の等級認定をします。

なお、現在では、脊髄損傷による後遺症に対して自賠責保険、労災、障害者手帳、障害年金などの社会保障が多くあります。

脊髄損傷はとても重い後遺症が残り、被害者の方は辛い思いをします。本人やご家族が、この傷病を理解して、保障されることが大切です。

自賠責保険では、以下の後遺障害認定基準でその程度が判断されます。

後遺障害認定基準

別表Ⅰ(介護を要する後遺障害) 1級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの(自賠法施行令)
せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの(労災基準)
例えば、以下のものが以下のものが該当する。
a 高度の四肢麻痺が認められるもの
b 高度の対麻痺が認められるもの
c 中程度の四肢麻痺があって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
d 中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

別表Ⅰ(介護を要する後遺障害) 2級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの(自賠法施行令)
せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、随時他人の介護を要するもの(労災基準)
例えば、以下のものが該当する。
a 中程度の四肢麻痺が認められるもの
b 軽度の四肢麻痺で、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの
c 中程度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの

別表Ⅱ                3級3号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの(自賠法施行令)
生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、せき髄症状のために労務に服することができないもの(労災基準)
例えば、以下のものが該当する。
a 軽度の四肢麻痺が認められるもの
b 中程度の対麻痺が認められるもの

別表Ⅱ                5級2号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの(自賠法施行令)
せき髄症状のため、きわめて軽易な労務のほかに服することができないもの(労災基準)
例えば、以下のものが該当する。
a 軽度の対麻痺が認められるもの
b 一下肢に高度の単麻痺が認められるもの

別表Ⅱ                7級4号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外に服することができないもの(自賠法施行令)
せき髄症状のため、軽易な労務以外には服することができないもの(労災基準)
例えば、一下肢に中程度の単麻痺が認められるものが該当する。

別表Ⅱ                9級10号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当程度に制限されるもの(自賠法施行令)
通常の労務に服することができるが、せき髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当程度に制限されるもの(労災基準)
例えば、一下肢に軽度の単麻痺が認められるものが該当する。

別表Ⅱ                12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの(自賠法施行令)
通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、多少の障害を残すもの(労災基準)
例えば、以下のものが該当する。
a 運動性、支持性、巧緻性および速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの
b 運動障害を伴わないものの、感覚障害が概ね一下肢にわたって認められるもの

後遺障害の認定について

脊髄損傷は、上記のように、膀胱・直腸の胸腹部臓器の障害やせき柱の障害が伴うので、臓腹部臓器等の障害が麻痺による障害よりも重い場合には、それらの障害を総合評価して、等級が認定される。

なお、脊髄損傷による障害が3級以上に該当する場合には、介護の要否及び程度を踏まえて認定することとなる。

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